JBCA学会員 柴田真一のワンポイントビジネス英語レッスン Vol.2-2

プレゼンテーションで聞き手を引き付けるコツ(2)

前回は、プレゼンの冒頭で質問をすると、聞き手を引き付けることができるというお話をしました。はじめの数分で聞き手に「話を聞きたい!」と思わせることができれば、話し手はプレゼンを進めやすくやりますね。

さて、今回は、質問以外のやり方で聞き手を引き込むスキルについて考えてみましょう。

I’m sure you all agree that exercise is good for our health.

運動が健康に良いということに同意するという点について確認しています。このように聞き手が納得してくれそうなことについて、賛同を求めるひと言です。

聞き手に納得感があると、その続きを聞いてくれる可能性はグッと高まるでしょう。

“Stay hungry. Stay foolish.”

「ハングリーであれ。愚か者であれ。」

アップルの創業者であるスティーブ・ジョブスが母校スタンフォード大学の卒業式に招かれライン品としてスピーチの中の有名な一言です。こうした歴史に残るような著名人の名言は心に刺さるものが多いですね。聞き手の興味やテーマに沿ったものを引用すると効果が期待できそうです。

2回にわたって、プレゼンの出だしで聞き手を引き込むスキルについて取り上げてみました。大学の授業や講演でいつも感じるのは、似た内容でも聞き手が違うと反応も異なるという点です。質問する、賛同を求める、名言を引用する、といった方法が必ずしもうまくいくとは限りませんが、まずはご自身で試してみてください。


柴田真一先生

神田外語大学グローバル・リベラルアーツ学部特任教授、キャリア教育センター長、特任教授
NHKラジオ『ビジネス英語』講師

みずほフィナンシャルグループ、目白大学教授・英米語学科長を経て現職。上智大学外国語学部卒。ロンドン大学大学院経営学修士(MBA)。国際ビジネスコミュニケーション学会(JBCA)広報委員。
銀行員としてのロンドン15年、ドイツ5年の海外勤務経験を活かし、大学では、ビジネス英語、グローバルキャリアに関わる授業を担当。著書に「入門ビジネス英語シンプルフレーズで相手を動かす!初めてのビジネス英会話』、『入門ビジネス英語 10億人に通じる! やさしいビジネス英会話』(NHK出版)、『英会話 仕事がうまくいくキーワード100』(青春文庫)などがある。